Step3:長文読解、、、の前に
ゆめみ塾では、長文の授業を受講できるのは文法を学習した者のみ。
学習した文法を応用させて文章の読解を行うため、当然のことである。
しかし、実際には、それだけで長文を読めるわけではない。
もう一つ、必要なものがあり、それが教養である。
筆者が想定する程度の常識とも言うべき基礎知識がなければ、文章は読めない。
筆者は、このくらいのことは当然知っているだろうという前提で書いているからだ。
これが、小学生の作文を読むのとは、本質的に異なる部分だ。
例えば、scienceは「科学」の意味だが、
「科学」とは何か。
科学とは方法論であり、
①経験的手法
と
②合理的手法
に基づき、
真理の探究を目的とする方法論
である。ここで①経験的手法とは、自然界に散在する事実を収集する作業であり、②合理的手法とは、仮説の正当性を実験と観察を通して立証していく作業である。これにより、単なる知識や情報の収集に終わらず、整合性や一貫性をもった原理をもとに未知の事実をも解明することができるはずなのである。したがって、仮説の立証を前提とする事実の収集に意味があり、科学とは演繹的方法論ではなく、帰納法的方法論を採るものである。
この程度のことを知らずに長文を読むのは困難であろう。
また、カール・ポパーが示したように、科学の対象は反証可能性命題でなければならいことも当然、知らねばならないことである。
このように、筆者が想定する読者になる必要があるのだ。
高校生が大学を選ぶように、大学もまた学生を選ぶのであり、文章を書いた筆者も読者を選んでいる、のかもしれない。
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